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官能小説 肥満熟女の園
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「ふごっんヒィいぃいぃぃぃッ!」

人間にあるまじき叫び声をあげたのは斉藤和枝だ。
それも当然、彼女は人間であって人間でない。
豚なのだから。

「あら、いい声で鳴くのねえ」

原因は和枝と同じく肥満熟女である黒田松子にある。
彼女は飛び切りの笑顔で指先のベルトを手綱の様に操った。
しかしそれは間接的な原因。
直接的な原因は、和枝の肥満な肉体、自分一人が全裸となるぞんざいな処遇、それに続き彼女を更に豚にせしめんとする金属の小さな鉤状フックの存在に他ならない。
それ自体は小さな小さな器具なのだが、効果は見るも無残に彼女の顔面を崩し豹変させていた。

鼻フック。

鼻の穴が吊られ、広がり、捲れていく。
それこそ和枝が喉を鳴らし待ちに待った待望の時。
感極まり喜びに涙しながら咆哮しても致し方ない。

「流石は四十五年物の豚だわ。 誰に教わるでもなく、既に豚としての発声が完璧じゃないさあ。 独りで弄って絶頂く時にもそんな声を出しているんでしょう。 ご近所の人がびっくりしてよ。・・どこで豚を飼っているのかってね」

「!?」

顔面に痛烈な痛みを覚える事など稀な事。
女性なら特に。
それ故に、和枝の叫びは無我夢中の、それこそ無意識の叫びだっただろう。
その指摘を受けるまでは・・。

(・・私・・叫んでいたの? ・・それが、その声が・・豚に・・似ているの?)

自分の叫び声が生豚に酷似しているなど思いもしていなかった和枝だが、鼻が捲れる痛みが唐突に過去の記憶をフラッシュバックさせる。
それはある日、自宅マンションの玄関先で、隣に住む主婦と行った世間話の風景。

『・・・でね、最近はいろんなペットを飼う人がいるのよね。うちのマンションはペット禁止でしょう。でもどうやら、どこかにブタを飼ってる人がいるみたいなのよ。 ・・! あ、・・と、そろそろ夕飯のお買い物に行かなきゃ・・』

隣の主婦は、肥満体質の和枝を前にして豚という単語を使ってしまった軽率に気付き、逃げるように会話は中断した。
和枝としては、その気遣いこそが心外だと思ったエピソード。

だが、自分の叫び声が豚的だと人から指摘された今、隣の主婦が和枝に気を遣いそれ以上の会話を続けなかった事はあながち間違いではなかったと言わざるを得ない。
隣の主婦が、近所でブタが飼われていると思った原因は正に和枝にあり、和枝が自宅オナニーで絶頂する際の発した声をブタの鳴き声と勘違いした為だった。

「あああああ・・・」

和枝は今現在の状況と、過去の状況、双方の羞恥に板挟みされた。
穴があれば入りたい心境。
とは言え、いくら和枝の鼻の穴が人のそれより大きく、更には鼻フックで広げられようとも、和枝自身の肥満肉体を捻じ入れるには無理があるだろう。
和枝は自分の豚さ加減に気付かされる。
それと同時に、自分が我を忘れ性的行為に没頭できる場所が酷く限られ、その一つが倶楽部養豚場に他ならない事を認めた。

「あらまあ、鼻の穴を吊られて豚面を晒すのがそんなに嬉しい?。 あはは凄い顔よ和枝さん。 んーでも、まだ余裕があるかしら、・・この豚だったらもう少し無理ができそうねえ」

松子はここでも熟練の技術を見せた。
その視線は鼻フックで無残に変貌していく和枝の表情を見据え薄笑い、片手の手探りのみで鼻フックを操り器用に装着させ引き絞る。
残る片手は、身体を逃がそうとする和枝を自分側へと引き寄せる為に使う訳だが、その手段と言うのがクリトリスを摘んで引っ張るというものだった。

「ふごォっ ふんゴおォ ・・ぁぁ・・ 嬉しい・・です。 豚の様に扱って頂いて、は、恥かしいのに・・興奮してしまいます」

痛みと羞恥でどうにかなってしまいそうな和枝は涙混じりに答えた。
それには、認めてしまえば羞恥から開放されるとの思いもあったのだが考えが甘かった。
認めてしまった事への羞恥が加算されただけ、和枝は自らの卑しさに身体を振るわせる。
醜く肥え更には垂れた肉体が戦慄く。
輪を掛けて醜い、広げられた鼻の穴から熱い吐息が漏れる。
それよりも醜いのが、和枝自身の恥辱に飢えた性根だった。

「ふふ、そうね。凄く興奮してるのが・・あは、手に取るように解るわよ」

松子は指先で挟む和枝のクリトリスを摘み直し、勃起具合を改めて確認した。
時折和枝が鼻を庇おうとしてついつい顔へ手を伸ばそうとする。
すると松子は和枝のクリトリスを捻り上げる。
クリトリスに走る痛みにより、和枝の手はそこで止まり、今度は股座へ伸びようとする。
その次の瞬間、鼻がよりフックで吊られてしまう。

二兎追うものを体現し、手を右往左往している内にどちらも庇えず。
結局のところ手は、鼻と陰核を結ぶ線の中間である乳房の位置で、藁も掴めず、手の平を広げたまま停止するを余儀なくされてしまった。
お手上げの状態だ。
無抵抗というのは、相手の行為を邪魔しないに留まらず、相手の行為へ助力しているに等しい。
自ら進んで屈辱を受け入れた和枝の姿は、実に滑稽で惨めな豚に見せた。

「和枝さん。私に豚の鼻を見せつけたのは分かるけど、もっと顎をお引きなさい。フックが外れてしまうでしょう?。 そう、みっともない・・二重アゴができる位にね」

松子は和枝のクリトリスを強く捻り上げた。

「ふっぎぃいッ! も、申し訳、あ・・ありませんーッ・・ぁぁ・・」

哀れ和枝はクリトリス一つを弄ばれる事で、その挙動を操作されていた。
首を引き喉元に肉を寄せると、カエルの様に喉肉が膨らむ。
その分だけ鼻穴のキワに金具が食い込む。

「貴方のお豆だけど、大きくて摘み易いのはいいとして、垢がヘドロの様に付いているものだから、強く摘んでいないと滑ってしまうわね。 べっとべとよ」

和枝の鼻穴を目一杯に広げる鼻フックがベルトにより頭部に固定されたので、和枝の頭は鼻の穴を元に戻す以外での暗黙の束縛から開放された。
自由に動かす事ができる様になった首で最初に行った行動は、自由という単語とは正反対、首を左右へ振る否定の動作。
それは自身の陰核が汚いと比喩された事への否定ではなく、恥垢に塗れたぬるべとの陰核を持ち合わす自分自身への否定だ。

「まあ、四十五年間もおちんぽで磨かず、ドブ水みたいな豚愛液を垂らし続けて来た・・下水道の様なおまんこだからしょうがないわよね」

和枝は首を左右に振るにあたって、左右それぞれ九十度強までしか回す事ができない人体の構造を呪う。
心情としては首が捻じ切れてしまうまで振り、自分の人生をも否定したかった。
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